7つの事件で殺人や監禁致死などの罪に問われ、1審で裁判員裁判として200日を超える審理が行われた被告について、最高裁判所は上告を退ける決定をし、1件の殺人を無罪と判断して無期懲役とした判決が確定することになりました。
兵庫県姫路市でパチンコ店を実質的に経営していた韓国籍の中村春根、本名・陳春根被告(51)は、2009年から2011年にかけて元暴力団員や会社社長を殺害したなどとして、7つの事件の指示役として殺人や監禁致死などの罪に問われました。
1審の神戸地方裁判所姫路支部で被告は、一部の事件を除いて無罪を主張し、検察は死刑を求刑しました。
審理期間は裁判員裁判としては当時、最も長い207日に及び、判決は1件の殺人について、「遺体が発見されておらず、死因は不明で、被告が殺害したことを裏付ける客観的な証拠がない」として無罪と判断し、無期懲役を言い渡しました。
2審の大阪高等裁判所も、死刑を選択しなかった1審の判断は妥当だとしたため、被告側が上告していましたが、最高裁判所第2小法廷の岡村和美裁判長は14日までに退ける決定をし、1件の殺人を無罪とし無期懲役とした判決が確定することになりました。
-- NHK NEWS WEB