ウクライナ軍は、東部や南部でロシア軍への反転攻勢を続ける一方、ウクライナ国内では、ロシアによるエネルギー関連施設への攻撃で電力供給に支障が出る事態となっています。ウクライナ国内では夜間の節電が呼びかけられるなど前線以外でも市民生活への影響が広がっています。
ウクライナ軍は16日、東部のハルキウ州やドネツク州、それに南部のヘルソン州で激しい反転攻勢を続ける一方、ロシア側が、ウクライナ国内の重要インフラや住宅地への攻撃を行っていると非難を強めています。
これについて、ロシア国防省は16日、こうした地域でウクライナ側への砲撃などで損失を与えたと主張していて、ウクライナ東部と南部を中心に激しい戦闘が続いているものとみられます。
さらに、ロシア国防省は、軍事施設のほか、エネルギー関連施設への攻撃を行ったと発表し、「ねらった攻撃対象はすべて破壊した」などと強調しています。
ウクライナ国営の電力会社は、16日、ロシアによるエネルギー関連施設への攻撃で電力供給に支障が出る事態となっているとして、国内全土で夜間の節電を呼びかけるなど、前線以外でも市民生活への影響が広がっています。
一方、イギリス国防省は16日、ロシア軍が今月10日に行ったウクライナの複数の都市に対するミサイル攻撃ついて「80発以上のミサイルを打ち込んだものの、ウクライナ側が半数以上を迎撃したとしている」と指摘しています。
そのうえで「ロシアの国防産業は、これまでと同程度の量の軍需物資を生産する能力はないとみられる。ロシアの長距離ミサイルの在庫がさらに減ることを意味していてロシア側が望むような攻撃は将来的にできなくなるとみられる」との分析を公表しました。
-- NHK NEWS WEB