大阪市のマッサージチェア販売会社が、特許を侵害されたとしてライバル会社に賠償を求めた裁判で、2審の知的財産高等裁判所は1審とは逆に訴えを認め、これまでより広い範囲で特許侵害の損害額を認定する初めての考え方を示し、3億9000万円余りの賠償などを命じました。
大阪市のマッサージチェア販売会社「フジ医療器」は、大阪市にある別のマッサージチェア販売会社「ファミリーイナダ」の製品が特許を侵害していると主張して、製品の販売の禁止と賠償を求めました。
20日の2審の判決は、今月、東京に開設されたビジネス関連の訴訟などを専門に扱う全国初の裁判所、通称「ビジネス・コート」で言い渡されました。
知的財産高等裁判所の大鷹一郎裁判長は、1審とは逆に特許の侵害を認め、ファミリーイナダに製品の販売禁止と、3億9000万円余りの賠償を命じました。
2審の知財高裁では「大合議」と呼ばれる5人の裁判官による審理が行われ、判決では損害額について初めての考え方が示されました。
特許法には、特許の侵害によって得られた利益はすべて損害と推定する規定がありますが、販売する市場が異なるなどの場合には損害が一部除外されてきました。
これについて判決は、除外された部分についても「ライセンス料という形で利益を得られたと考えられる場合には損害額として請求できる」と、損害の範囲をこれまでより広く認めました。
-- NHK NEWS WEB