中国の国家統計局は、発表を延期していたことし7月から9月までのGDP=国内総生産を24日発表し、伸び率は去年の同じ時期と比べてプラス3.9%となりました。前の3か月の伸び率を上回ったものの、中国経済の回復は鈍く力強さを欠く状況となっています。
中国の国家統計局が発表したことし7月から先月までのGDPの伸び率は、物価の変動を除いた実質で、去年の同じ時期と比べてプラス3.9%でした。
伸び率は新型コロナウイルスの感染拡大に伴って上海での厳しい外出制限の影響が大きく出た前の3か月のプラス0.4%を上回りましたが、経済の回復の速度は鈍く、力強さを欠く状況となっています。
感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策の下での行動制限によって個人消費が伸び悩んだほか、不動産業界でも企業の資金繰りが悪化し、マンション建設の中断や遅れの問題が続いたことなどが主な要因です。
政府の景気対策で持ち直しの動きもみられるものの、ことしの経済成長率は5.5%前後という政府の目標を大きく下回るとの見方が強まっています。
一方、今回の発表は当初、10月18日に予定されていましたが前日に延期が明らかにされた上、24日急きょ発表されるという極めて異例の措置がとられました。
専門家などの間では、先週、共産党大会が開かれていたことから、政府の成長率目標を下回るGDPの内容を発表することを避けたという見方が出ていました。
中国では23日、3期目の習近平指導部がスタートしましたが、回復が遅れる経済の立て直しが大きな課題となります。
-- NHK NEWS WEB