自民党の片山さつき参議院議員が、週刊誌の記事で名誉を傷つけられたとして出版社を訴えた裁判の2審で、東京高等裁判所は「記事の重要な部分が真実とは認められない」と判断し、1審とは逆に訴えを認め、330万円の賠償を命じました。
2018年10月発行の「週刊文春」は、片山さつき参議院議員と私設秘書だった男性が、会社経営者から税制上の優遇措置が継続されるよう国税当局への口利きを依頼されて、100万円を受け取ったなどと報じ、片山議員は「口利きの事実はなく名誉を傷つけられた」として発行元の文藝春秋に損害賠償を求めました。
1審は去年、「記事の内容が真実とまでは証明されていないが、出版社側には口利きがあったことを真実と信じる十分な理由があった」として訴えを退けたため、片山議員が控訴していました。
27日の2審の判決で、東京高等裁判所の矢尾和子裁判長は「議員が100万円を受け取ろうとしたことや口利きの電話をかけようとしたことなど、重要な部分について事実を裏付ける客観的な証拠がなく、記事は真実とは認められない」と指摘しました。
そのうえで、「関係者の供述が不自然なことも踏まえ、信用性を慎重に検討する必要があった。真実だと信じたことに正当な理由はない」として、文藝春秋に330万円の賠償を命じました。
週刊文春編集部は「高裁判決は不可解と言わざるをえない。即時、上告の手続きをとる」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB