来年4月から高校で使われる教科書の検定で、集団的自衛権について記述した教科書に対して、『日本の存立が脅かされた場合』など政府が武力行使の条件とした新3要件が書かれていないとして意見がつけられました。文部科学省は「おととし、安全保障関連法が成立したことを踏まえて、より正確に理解してもらうため前回の検定より踏み込んで意見をつけた」と話しています。
来年4月から高校で使われる教科書の検定は24日終了し、213点すべてが合格しました。このうち、集団的自衛権に関する記述を掲載した政治経済や日本史など合わせて6点の教科書に対して意見がつきました。
ある政治経済の教科書は、武力行使について「閣議決定をもって一部『行使できる』ことに変更した」と記述したのに対して意見がつきました。その後、教科書会社は「一定の要件を満たせば一部『行使できる』ことにした」と修正したうえで、注釈として日本の存立が脅かされた場合など政府が武力行使の条件とした新3要件を載せました。
このほかの教科書にも同じ意見がつけられ、修正後は新3要件をすべて盛り込みました。
これまでの教科書では修正前の記述が認められていましたが、今回意見をつけたことについて、文部科学省は「おととし安全保障関連法が成立したことを踏まえて、集団的自衛権について生徒により正確に理解してもらうため、新3要件を書いてもらう必要があった。前回よりも踏み込んで意見をつけた」と話しています。
-- NHK NEWS WEB