日産自動車は、生産の一部を海外から国内に移したことなどから、今年度(平成28年度)の国内での生産台数が、雇用の維持に必要だとする100万台の水準を3年ぶりに超えることが確実になりました。
日産の国内生産は昭和55年度の264万台をピークに、海外への生産の移転や国内市場の縮小によって減少傾向が続き、平成26年度には100万台の大台を割り込みました。
しかし、ここ数年、円安ドル高の傾向が続き、輸出でも採算が取れるようになり、生産の一部をアメリカから九州の工場に移したほか、自動運転機能を搭載したミニバンや新型のハイブリッド車の販売が好調なことから、関係者によりますと、今年度は国内での生産が100万台を超えることが確実になりました。
日産は、国内でのものづくりと雇用を維持するには、年間100万台の生産が必要だとしていて、3年ぶりにこの水準まで回復することになります。ただ、日本の自動車メーカー全体では、国内の生産台数はピーク時の6割程度まで減少しています。
また、最大の輸出先であるアメリカでは、トランプ大統領がメーカー各社に現地での生産を増やすよう求めているだけに、すそ野の広い自動車の生産を、どの程度国内に維持できるかは日本経済にとって大きな課題となりそうです。
-- NHK NEWS WEB