9年前、「餃子の王将」を展開する会社の社長が銃撃され殺害された事件で、警察が当時の複数の役員から任意で事情を聞くとともに、創業家出身の元役員らの自宅を関係先として捜索したことが捜査関係者への取材で分かりました。
過去に会社が行ったとされる特定の企業グループとの不適切な取り引きが、事件に関係していないか確認するための捜査とみられます。
平成25年に、「王将フードサービス」の京都市の本社前で、社長だった大東隆行さん(当時72)が拳銃で撃たれて死亡した事件で、警察は10月、福岡県の特定危険指定暴力団・工藤会系の暴力団幹部、田中幸雄容疑者(56)を殺人などの疑いで逮捕し、事件の背景などを捜査しています。
事件のあと、会社が設けた第三者委員会の調査報告書は、会社の経営権を創業家が握っていた時期に、特定の企業グループとの間で不動産売買などの不適切な取り引きが繰り返され、巨額の資金が流出したと指摘しています。
警察は、こうした取り引きなどが事件に関係していなかったか慎重に調べていて、捜査関係者によりますと、田中容疑者の逮捕後、事件当時の複数の役員から改めて任意で事情を聞いたほか、創業家出身の元役員らの自宅を関係先として捜索したということです。
警察は会社の経営実態を確認し、事件につながるトラブルがなかったかなど、全容解明に向けた手がかりを探しているものとみられます。
-- NHK NEWS WEB