ドイツのショルツ首相が中国を訪れ、共産党のトップとして異例の3期目に入った習近平国家主席と会談しました。両首脳は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐる対応や、拡大を続けてきた両国の経済協力について意見を交わしました。
ドイツのショルツ首相は4日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が始まってからG7=主要7か国の首脳として初めて中国を訪れ、習近平国家主席と会談しました。
中国外務省によりますと、習主席は「中国とドイツは、影響力のある大国として、複雑な情勢の中でも手を取り合って協力し、世界の平和と発展に貢献すべきだ」と述べ、協力関係を引き続き強化する考えを示しました。
またショルツ首相は「両国の経済関係をさらに発展させる可能性も含めて集中的に議論できることはよいことだ」と述べました。
会談で両首脳は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を巡る対応などについても意見を交わしました。
また、ドイツにとって中国は最大の貿易相手国で、訪問にはドイツ企業の幹部も同行し、ショルツ首相は、経済関係の発展のため規制の緩和や知的財産権の保護などを働きかけたものとみられます。
一方、訪問をめぐっては、ヨーロッパで、人権問題や海洋進出から中国への警戒感が高まる中、経済関係を優先しているとか、欧米の結束の乱れにつながりかねないといった批判が出ています。
ショルツ首相にとって、ヨーロッパ各国や国民の理解を得ていけるかが課題となります。
-- NHK NEWS WEB