東京オリンピック・パラリンピックの大会マスコットのぬいぐるみ販売をめぐる汚職事件で、組織委員会の元理事に便宜を図るよう依頼したのは、元理事の大学の後輩にあたる贈賄側の販売会社の前の代表らだった疑いがあることが関係者への取材で分かりました。
賄賂の送金先とされるコンサルタント会社の元代表も同じ大学の後輩で、東京地検特捜部は元理事が学生時代の人脈などをもとに不正を計画した疑いがあるとみて、9日の勾留期限に向けて詰めの捜査を進めているものとみられます。
大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)は、公式ライセンス商品の契約をめぐって、大会マスコットのぬいぐるみを製造・販売していた東京 千代田区にある「サン・アロー」に便宜を図り、総額700万円の賄賂を受け取ったなどとして、先月、受託収賄の疑いで再逮捕されました。
関係者によりますと、高橋元理事に便宜を図るよう依頼したのは、元理事の大学の後輩に当たる「サン・アロー」の前の代表と、現在の代表で、ライセンス契約を円滑に締結することや、ぬいぐるみの販売促進などを複数回にわたって依頼した疑いがあることが新たに分かりました。
また、サン・アロー側は、売り上げに応じて一定の割合を東京 千代田区のコンサルタント会社に振り込むよう元理事に指示され、賄賂とされる700万円を送金した疑いがあることが分かっていますが、この会社の当時の代表も同じ大学の後輩で、一連の計画を把握していた疑いがあるということです。
特捜部は、元理事が学生時代の人脈などをもとに知人らと不正を計画し、利益を得ようとしていた疑いがあるとみて、9日の勾留期限に向けて詰めの捜査を進めているものとみられます。
関係者によりますと、高橋元理事は調べに対し、容疑を否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB