奈良県内に住むウクライナ人の女性が、ロシア関係の仕事から外してもらうよう要望したことをめぐって、勤務先の上司からパワハラを受けたと訴えた裁判は、会社側が解決金を支払うことで、和解が成立しました。
東京に本社があるヘリコプター運航会社「アカギヘリコプター」の奈良市にある営業所で働いていたウクライナ人の27歳の女性は、ウクライナの法律でロシアとの商取引に関わった場合、反逆罪に問われるおそれがあるため、ロシア関係の仕事から外してもらうよう会社に要望していました。
しかし、男性上司から「仕事を選ぶ人間」などと書かれたメールをほかの従業員に送られるなどのパワハラを受けうつ状態と診断されたとして、会社に対し550万円の損害賠償を求める訴えを、ことし9月、奈良地方裁判所に起こしていました。
女性の代理人の弁護士によりますと、先月31日付けで会社側が解決金を支払うことで和解が成立したということです。
女性は「裁判が長引くと生活に影響が出ると考え、和解を受け入れることにしましたが、私が受けた心の傷は今でも残っています」と話しています。
一方、会社側は、パワハラがあったことを認めたうえで「このようなことが起き女性には申し訳なく思っている。社員が困りごとを相談できる専用の電話窓口などを新たに設置し、再発防止に努めていく」と話しています。
-- NHK NEWS WEB