日本が海外との貿易や投資などでどれだけ稼いだかを示す今年度上半期の経常収支の黒字額は、昨年度の上半期と比べて6兆8600億円余りの大幅な減少となりました。
財務省が発表した国際収支統計によりますと、ことし4月から9月までの今年度上半期の日本の経常収支は、4兆8458億円の黒字となりました。
黒字額は去年の同じ時期と比べて6兆8627億円減少し、統計が比較可能な1985年以降、過去2番目に大幅な落ち込みとなりました。
このうち、輸出から輸入を差し引いた「貿易収支」は9兆2334億円と過去最大の赤字となりました。
原油などエネルギー価格の高騰や為替市場で急速に円安が進んだ影響で輸入額が膨らんだことが要因です。
一方、海外の証券投資などで得た利子や配当のやり取りを示す「第一次所得収支」は、円安の影響で海外の子会社から受け取る配当などが増えて、18兆2332億円と過去最大の黒字でした。
日本企業が海外への投資で稼いだ利益が貿易収支の悪化を補った形ですが経常黒字は大きく縮小する結果となりました。
また、ことし9月の経常収支は9093億円の黒字で去年の同じ時期と比べて7439億円、黒字幅が縮小しました。
-- NHK NEWS WEB