事業を継続しながら経営の立て直しを図っているジェネリック医薬品大手の「日医工」は、グループ全体の今年度の中間決算で、負債が資産を上回る債務超過に陥る見通しだと発表しました。
富山市に本社を置く「日医工」の発表によりますと、今月14日に開示する予定のグループ全体のことし4月から9月までの決算で負債が資産を上回る債務超過になる見通しだとしています。
これは注射剤などのジェネリック医薬品を製造するアメリカの子会社「セージェントグループ」で営業損失や製品開発の遅れが発生したため、この子会社の資産価値を見直したことが理由だということです。
日医工が債務超過になるのは初めてで、具体的な金額は今月14日に公表するとしています。
「日医工」は去年3月、国が承認していない工程で製造した医薬品を出荷するなど品質管理に重大な問題があるとして富山県から業務停止命令を受け、製品を自主回収しました。
この影響で昨年度1年間のグループ全体の決算は、最終的な損益が過去最大の1048億円の赤字となり、「事業再生ADR」と呼ばれる国の制度の手続きを申請して事業を継続しながら経営の立て直しを図っています。
日医工は「今回の事態は事業再生ADRには影響しないと考えている」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB