日本の小型ロケット「イプシロン」6号機の打ち上げ失敗について、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、開発中の新型ロケット「H3」への影響は限定的だとして、今年度中の打ち上げを目指す計画に変わりはないと説明しました。
イプシロン6号機の打ち上げ失敗について、JAXAはロケットの向きを制御する「第2段ガスジェット装置」が十分に作動せず、ガスの元になる燃料が通る配管の弁が十分開かなかったか、配管が塞がったかのどちらかが原因だとしています。
また、配管の弁は、開発中の新型ロケット「H3」にも同じメーカーの製品が使われているため影響がないか調べていました。
11日の文部科学省の有識者会議でJAXAは、配管の弁を「H2A」で利用実績のある別のメーカーの製品に交換すると説明しました。
そのうえで、交換に伴う設計変更で数百グラムほど重くなるものの「H3」のロケット本体への影響は限定的だとして、今年度中の打ち上げを目指す計画に変わりはないと述べました。
JAXAの佐藤寿晃 事業推進部長は「設計変更の範囲は軽微で、対策で懸念を払拭(ふっしょく)できると考えている。念のため、振動テストなどを実施したうえで、H3の今年度中の打ち上げを確実にしたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB