金融庁は、多くの企業の株式を持つ信託銀行や生命保険会社などに、株主として企業経営をチェックする役割を果たすよう促すため、株主総会での議案に対する賛否を個別に公表するよう求めることになりました。
金融庁の有識者会議は、信託銀行や生命保険会社など企業の株式を多く保有する機関投資家が大株主として果たすべき役割を定めた行動指針「スチュワードシップ・コード」を見直し、改定案を取りまとめました。
それによりますと、機関投資家が企業の株主総会で取締役の選任などの議案で賛否を示した場合、個別の議案ごとにその内容を公表すべきだとしています。
現在の指針では機関投資家は、議案の種類ごとに、それぞれの株主総会で賛成または反対をしたか、総数だけを公表するようになっていますが、大株主として企業経営をチェックする役割をより積極的に果たすよう促すのが狙いです。
また、新たな指針では、機関投資家がビジネス上の取り引きがある投資先の企業に対する経営のチェックが甘くなるのを防ぐため、議決権をどう行使するかを判断する第三者委員会などの独立した組織を設けるべきだと指摘しています。
金融庁は、この改定案を来月にも決定し、今後、機関投資家に対応を促すことにしています。
-- NHK NEWS WEB