異物の混入などで食品メーカーによる商品の自主回収が相次ぐ中、大手食品メーカーのマルハニチロは、回収した缶詰のうち、安全性を確認したおよそ1万1000個について、いわゆる「フードバンク」の活動に取り組む団体に寄付することになりました。
「フードバンク」は、安全性に問題がないものの、パッケージにキズがあるなどの理由で販売できなくなった食品を集めて、福祉施設などに無償で提供する活動です。
マルハニチロは、去年11月、さんまのかば焼きの缶詰の一部に金属の破片が入っていたとして、同じ工場で製造された缶詰を自主回収すると発表し、これまでにおよそ1万7000個を回収しました。
これまでは、回収された商品が出た場合、すべて廃棄していましたが、消費者から「もったいない」などという指摘が寄せられたため、回収された缶詰のうち、エックス線を使った検査機器で安全性に問題がないことが確認されたおよそ1万1000個について、「フードバンク」の活動をしている団体に寄付することになりました。
この会社では「商品を回収するような事態が起きないことが重要だが、まだ食べることのできる食品の活用も必要だと考えた」と話しています。
食品メーカーで作る業界団体「食品産業センター」によりますと、去年1年間の食品回収の件数は839件と、平成21年の調査開始以来、最も多くなっていて、回収した商品の多くは廃棄されていると見られます。
-- NHK NEWS WEB