企業で働く人のこの冬のボーナスについて、民間のシンクタンク各社が予測結果をまとめたところ、1人当たりの平均支給額は2年連続で前の年を上回り、それぞれ1.2%から2.6%の増加を見込んでいます。ただ、専門家は「賃金の増加ペースは物価の上昇に追いつかない状況だ」と指摘しています。
従業員5人以上が働く事業所のこの冬のボーナスについて民間のシンクタンク4社は、国の統計などをもとに1人当たりの平均支給額を予測し、それぞれ結果をまとめました。
それによりますと前の年からの増加率は、
▽第一生命経済研究所が2.6%、
▽三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2.5%、
▽日本総合研究所が1.8%、
▽みずほリサーチ&テクノロジーズが1.2%となっています。
厚生労働省の毎月勤労統計調査によりますと、去年冬のボーナスの平均支給額は38万787円と前の年より0.1%増加しました。
シンクタンク4社は、いずれも2年連続で前の年を上回ると予測しています。
このうち、第一生命経済研究所はコロナ禍で落ち込んだ企業の業績が持ち直し、冬のボーナスの支給を再開する企業が増えるとみられることや人手不足などを背景に、例年と比べて比較的高い伸びになると見込んでいます。
ただ、毎月の給与とボーナスを合わせた賃金の増加ペースは、物価の上昇に追いつかない状況だと分析しています。
第一生命経済研究所のシニアエグゼクティブエコノミスト、新家義貴さんは「冬のボーナスの増加が個人消費の活性化につながる可能性は低いとみている。業績が改善している企業は労働者への還元をさらに増やしていくべきだ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB