フランス産のワインの新酒、「ボージョレ・ヌーボー」の販売が、17日解禁されました。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で輸送費が上昇したことなどで去年より大きく値上がりしています。
東京 渋谷区のバーでは、コロナ禍で開催できなかった対面のカウントダウンイベントが3年ぶりに開かれ、17日午前0時を迎えると、解禁されたばかりのボージョレ・ヌーボーが招待客に振る舞われました。
ボージョレ・ヌーボーはフランスのボージョレ地区でその年に収穫されたぶどうで造るワインの新酒で、毎年11月の第3木曜日に販売が解禁されます。
輸入元のひとつ、サントリーによりますと、ことしはロシアによるウクライナ侵攻の影響で空輸のルートが遠回りになり輸送費が上昇したうえ、円安も重なったことなどから、店頭価格が去年の1.4倍から2.2倍に上がる見込みです。
受注が伸び悩む中、会社では取り扱う品目の数を減らし、輸入量は去年のおよそ4割にとどまっています。
サントリーの吉雄敬子ワインカンパニー社長はこの夏が温暖でよい味わいに仕上がったとしたうえで、「例年より高いもののお楽しみいただける価値があると思う」と話していました。
一方、大手スーパーイオンリテールの千葉県内の店舗では、ボージョレ・ヌーボーの特設コーナーが設けられ、午前0時の解禁直後から早速、客が買い求めていました。
この会社では、自前で調達した商品の一部の容器を瓶からペットボトルにかえ軽量化したことで、空輸のコストの増加をできるだけ抑えたということです。
ボージョレ・ヌーボーが値上がりする中、ほかのスーパーや酒店などでも小型のサイズの品ぞろえを増やしたり、国産ワインの新酒を取りそろえたりして、ワインの消費を促そうと対応する動きが出ています。
-- NHK NEWS WEB