鉄鋼大手の日本製鉄に勤めていた男性が、おととし2月に自殺したのは、残業時間の急増や、上司からの叱責によって、うつ病を発症したのが原因だったとして、半田労働基準監督署が、労災と認定していたことがわかりました。
遺族の代理人の弁護士によりますと、おととし2月、日本製鉄の名古屋製鉄所に勤務していた水谷翔紀さん(当時28歳)が自殺したことについて、遺族が去年10月、仕事量の急増や、上司からの複数回の叱責が原因だったとして、労働基準監督署に対し労災の認定を申請していました。
これについて、労働基準監督署は調査の結果、水谷さんが未経験だった発電設備の修繕業務を担当する中で、直属の上司から短期間のうちに4回にわたり叱責を受けていたことや、死亡する直前の1か月の残業時間が、前の月のおよそ3倍にあたる76時間に達していたことなどが原因で、うつ病を発症し自殺にいたったとして、ことし4月、労災と認定したということです。
母親の水谷友美さんは「体の弱い私をいつも気にかけてくれる優しい息子だった。会社には、1人の命が失われたことをしっかりと受け止めたうえで、本当のことを説明してほしい」と話しています。
一方、日本製鉄は「個人情報に関することなのでコメントは差し控えたい」としています。
-- NHK NEWS WEB