韓国の検察は長年の知人らをめぐる一連の事件で事情聴取を行ったパク・クネ(朴槿恵)前大統領について、「強大な大統領の地位と権限を利用した事件は極めて重大で、証拠を隠滅するおそれもある」などとして、27日午前、裁判所に逮捕状を請求しました。今後、裁判所が逮捕状を出すかどうか判断することになります。
韓国のパク・クネ前大統領は、今月10日に憲法裁判所の決定によって罷免されて、刑事訴追されない特権がなくなり、検察は一連の事件をめぐり、今月21日から翌日にかけて、休憩を挟みながら21時間以上にわたり事情聴取を行いました。
検察は、パク氏が長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告と共謀して、最大の財閥サムスングループから、約束分も含めて日本円で43億円余りの賄賂を受け取った収賄の疑いや、チェ被告が深く関わる2つの財団に資金を拠出するよう、企業に圧力をかけた職権乱用と強要の疑いなど、合わせて13の容疑について事情聴取したということです。
そして韓国の検察は27日午前、パク氏の逮捕状を請求したことを明らかにしました。検察は逮捕状を請求した理由について「強大な大統領の地位と権限を利用した事件は極めて重大だ」などと指摘しました。
そのうえで「パク氏は大部分の容疑を否認していて、今後、証拠を隠滅するおそれがある。共犯や賄賂を渡した者が逮捕されていることから、逮捕状を請求しなければ公平性に反する」と説明しました。
今後は裁判所が逮捕状を出すかどうか判断することになります。
-- NHK NEWS WEB