静岡県の焼津漁港で水揚げされた冷凍カツオを盗んだとして水産業者らが相次いで摘発された事件で、警察が現在捜査を進めている3つめの不正ルートでの被害がおよそ15億円に上り、これまでで最大規模になることが分かりました。また、漁協の内部調査に職員らが報酬を受け取り、不正に協力したことを認めたことも新たに分かりました。
焼津漁港で水揚げされたカツオが盗まれた事件で、警察は先月、焼津市の水産加工会社の元常務ら5人を新たに逮捕し、第3の不正ルートとして捜査を進めています。
このルートで横流しされたカツオの量が少なくとも1万トン、14億円から15億円相当に上るとみられることが、焼津漁協の内部調査などで分かりました。
ほかの2つのルートでの被害規模を大きく上回るということです。
この第3のルートについて、漁協は去年11月、職員らが水産加工会社への損失補填(ほてん)などの名目でカツオを横流ししていたと公表した一方で、「対価は得ていない」と説明していました。
しかし、関係者によりますと、ことし9月に再度、聞き取り調査をした結果、職員十数人が横流しを黙認する見返りに報酬を受け取っていたことを認めたということです。
焼津漁協は「公正でなければならない市場をつかどる立場にある組合として、大変申し訳なく思っています。警察の捜査に協力し、一連の事件の真相解明に真摯(しんし)に努めてまいります」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB