人手不足が深刻な地方の企業に、大企業からの転職などを後押ししようと、金融庁は全国の金融機関と連携して人材を紹介する事業を強化しています。
金融庁が立ち上げたのは、都市部の大企業などに勤務する人と、人材を求める地方の企業をつなぐ人材マッチングのシステムです。
転職希望の人がシステムに登録すると、地方銀行など、およそ100の金融機関が、人手不足に悩む地元の企業に人材を紹介する仕組みです。
静岡県牧之原市にある農作業用ロボットの研究開発を行うベンチャー企業は、静岡銀行の紹介で、ことし5月、大手銀行勤務の男性を財務や経理の担当として採用しました。
ベンチャー企業「エムスクエア・ラボ」の加藤百合子社長は「地方企業は、ほしいと思う人材と巡り会うことは、なかなか難しいのが現状です。求めていた以上の結果を出してくれて助かっている」と話していました。
金融庁は、この事業で一定の年収以上で人材を採用した企業には給付金を支給し、都市から地方への人の流れを後押ししたい考えです。
金融庁の伊藤豊監督局長は「この事業がうまくいけば、人々の暮らしや地域の企業を変えるし、非常に大きな効果があると思う」と話しています。
-- NHK NEWS WEB