異物の混入などで食品の自主回収が相次ぐ中、大手食品メーカーのマルハニチロは、回収した缶詰のうち安全を確認したおよそ1万1000個を、福祉施設などに食品を無償で提供している団体に寄付しました。
マルハニチロが寄付したのは去年11月に、一部に金属の破片が入っていたとして、自主回収を発表したさんまのかば焼きの缶詰のうち、エックス線を使った検査機器で安全を確認したおよそ1万1000個です。
この会社ではこれまで回収した商品はすべて廃棄していましたが、消費者から「もったいない」などという指摘が寄せられたため、今回、寄付することにしました。
缶詰は、27日午前、安全には問題がないもののパッケージにキズがあるなどの理由で販売できなくなった食品を集めて、福祉施設などに無償で提供する、いわゆるフードバンクの活動をしている団体に届けられ、今後希望する施設や個人に配布するということです。
寄付を受けたセカンドハーベスト・ジャパンの伊藤令華さんは「安全を徹底しようと企業による食品の回収は増えているが、廃棄ロスを防ぐ意味でも安全が確認された品物は有効活用していくべきではないでしょうか」と話していました。
食品メーカーで作る業界団体、食品産業センターによりますと、去年1年間の食品回収は839件と平成21年の調査開始以来最も多くなっていて、回収した商品の多くは廃棄されたとみられるということです。
-- NHK NEWS WEB