就職活動中の学生になりすまし、企業が採用選考で行うオンライン試験を不正に代行したとして関西電力の社員が逮捕された事件で、社員が、依頼した学生とパソコンの画面を遠隔で共有し、イヤホンを使って学生に解答を伝えていた疑いのあることが分かりました。警視庁は、学生本人が試験を受けているよう装っていたとみて詳しく調べています。
大阪市の関西電力の社員、田中信人容疑者(28)はことし4月、都内の大学4年生の学生から依頼を受け、クレジットカード会社が採用選考で行ったオンライン試験を不正に代行したとして、私電磁的記録不正作出などの疑いで21日、警視庁に逮捕されました。
また、代行を依頼した学生も、不正に関わった疑いで22日書類送検されました。
これまでの捜査で、田中容疑者は、学生から伝えられたIDとパスワードなどを使ってオンライン試験を代わりに受け、クレジットカード会社をはじめ、合わせて23社の試験を代行していたことが分かっています。
さらに、一部の企業の試験では、パソコンの画面を遠隔で共有したうえで、別の場所で問題を解いてイヤホンを使って学生に解答を伝えていた疑いのあることが警視庁への取材で分かりました。
企業の中には、代行などの不正を防止するため、パソコンに内蔵されたカメラで就職活動生を映しながら試験を行うところもあり、こうした対策を把握しながら、学生本人が試験を受けているよう装っていたとみられるということです。
不正な代行が行われた23社の中には、学生が最終面接まで通過した企業もあったということで、警視庁が詳しい手口などを調べています。
-- NHK NEWS WEB