ロシアの政府系ガス会社は、ウクライナの隣国モルドバに向けてパイプラインで供給している天然ガスの供給量を、今後、削減する可能性があると発表しました。モルドバは天然ガスをロシアに依存していて、冬が到来しエネルギー需要が高まる中、揺さぶりをかけるねらいもあるとみられます。
ロシアの政府系ガス会社「ガスプロム」は、ウクライナを経由してモルドバ向けにパイプラインで供給している天然ガスについて、ロシアが供給した量とモルドバに届く量に差が生じているとする声明を22日、発表しました。
ガスの一部が経由地のウクライナにとどまっていると主張した形で、ロシア側はこの問題が解決されない場合は、今月28日以降、モルドバへの供給量を削減するとしています。
これに対して、天然ガスを輸送しているウクライナの会社は22日、声明で、ロシアからの天然ガスはすべてモルドバへ輸送していると反論しました。
そして「ロシアがガスを政治的圧力に利用するのは初めてではない。事実を操作している」と非難しました。
モルドバの今の政権は欧米寄りの立場を示し、ウクライナへ軍事侵攻したロシアを批判しています。
モルドバは国内で消費される天然ガスをロシアに依存していて、冬が到来しエネルギーの需要が高まる中、ロシアとしてはモルドバに揺さぶりをかけるねらいもあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB