日本文化の海外への売り込みを支援する目的で設立された官民ファンドの「クールジャパン機構」が多額の赤字を計上していることから、所管する経済産業省は、業績を改善する計画を明らかにしました。ただ有識者からは成果が出なければ、統廃合も検討すべきだという厳しい指摘が出ています。
クールジャパン機構には政府が1000億円余りを出資していますが、海外にコンテンツを配信する企業など投資先の業績が落ち込み、昨年度末の時点で累積赤字が309億円になるなど厳しい運営が続いています。
こうした中、所管する経済産業省は22日、政府の財政投融資を議論する財務省の審議会で抜本的な見直しに向けた取り組みを報告しました。
それによりますと、職員のボーナスの査定に差をつけることや、担当する案件に職員みずからの資金も投資できるようにし、利益が還元される制度を導入することなどで優秀な人材の確保に努め、業績の改善につなげるとしています。
これに対して審議会の委員からは、赤字が続くファンドに出資するほど日本の財政はよくないとか、成果が出なければ組織の統廃合も検討すべきだという厳しい指摘が出たということです。
国土交通省や農林水産省所管の官民ファンドでも多額の赤字が計上されていて、経営の在り方が問われる事態となっています。
-- NHK NEWS WEB