大阪に本社がある塩野義製薬は、開発を進めてきた新型コロナワクチンについて、厚生労働省に承認を求める申請を行いました。国内の製薬会社が開発を進めてきた新型コロナワクチンの承認申請は初めてです。
塩野義製薬の発表によりますと、厚生労働省に承認申請したのは、新型コロナウイルスに対する「組み換えたんぱく質ワクチン」です。
このワクチンには、当初広がった従来の新型コロナウイルスに対応した成分が含まれていて、20歳以上を対象に、1回目と2回目の接種、それに3回目の接種用として承認を求めています。
会社によりますと、1回目と2回目の接種を想定した臨床試験で、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値が、アストラゼネカのワクチンよりも高いと確認できたほか、3回目の接種を想定した臨床試験では、中和抗体の値がファイザーのワクチンを接種した場合と同じ程度だったとしています。
また、これまでの臨床試験で、安全性に大きな問題は確認されなかったとしています。
国内の製薬会社が開発を進めてきた新型コロナワクチンの承認申請は初めてです。
塩野義製薬は「今回のワクチンは、インフルエンザのワクチンで確立された技術を活用した。国産ワクチンの早期供給に向けて引き続き注力したい」とコメントしていて、今後、4回目の接種を想定した臨床試験や、変異ウイルスに対応するワクチンの開発を進めたいとしています。
-- NHK NEWS WEB