ウクライナでは10月以降、繰り返されているロシア軍による大規模なミサイル攻撃によって発電所や変電所などのインフラ施設が破壊され、計画停電を余儀なくされるなど深刻な電力不足が続いています。
ロシア軍は23日、ウクライナ各地の火力発電所や変電所を標的にミサイル攻撃を行い全国的な緊急停電を引き起こすなど、10月以降、電力やガスなどの供給を担うインフラ施設に対して大規模なミサイル攻撃を繰り返しています。
攻撃の影響でウクライナ国内では深刻な電力不足に陥っていて、ウクライナ国営の電力会社は29日、国内で30%の電力が不足し、計画停電を続けていると明らかにしました。
また西部ビンニツァ州の知事は28日、州内の市の1つでロシア軍による火力発電所への攻撃のあと暖房用の温水を供給する設備が停止し1万8000人に影響が出ているとして、復旧作業を急ぐとともに暖を取れる拠点の設置を進めていると明らかにしました。
ウクライナ政府はロシア軍が来週にも新たなミサイル攻撃を計画しているという見方を示し、インフラ施設を狙ったさらなる攻撃に対して警戒を強めています。
一方ウクライナ東部では、ドネツク州のウクライナ側の拠点の1つ、バフムトについて親ロシア派の指導者が28日「ロシア側の部隊が前進に成功し包囲が近い」と述べたのに対し、ウクライナ政府の高官は29日「ロシア軍はバフムトに入ろうとして多くの犠牲を出している」と述べるなど双方の激しい攻防が続いています。
-- NHK NEWS WEB