電力の販売をめぐり、大手電力会社がカルテルを結んでいたとされる問題で、関西電力がほかの電力会社の管内で営業を本格化させたことがカルテルのきっかけになった疑いがあることが、関係者への取材で分かりました。公正取引委員会は、中国電力と中部電力、九州電力などに総額で1000億円余りの課徴金を命じる方針で、今後、最終的な処分を決めることにしています。
中国電力と中部電力、九州電力、それに関西電力は、事業者向けの電力の販売をめぐり、互いの営業エリアで顧客を獲得しないよう申し合わせるなど、カルテルを結んでいた疑いがあるとして、去年、公正取引委員会の立ち入り検査を受けました。
関係者によりますと、2016年に電力の小売りが全面自由化されたあと、関西電力がほかの電力会社の管内で営業を本格化させ、競争が始まったのをきっかけに、各社の間で協議が行われ、2018年ごろからカルテルが結ばれた疑いがあるということです。
公正取引委員会は調査の結果、中国電力と中部電力、その販売子会社、それに、九州電力の4社に対し、総額で1000億円余りの課徴金の納付を命じる方針を固め、各社に通知したということで、意見を聞いたうえで最終的な処分を決めることにしています。
課徴金としては過去最高額になる見通しです。
一方、関係者によりますと、関西電力は調査が始まる前に違反行為を最初に自主申告したため、課徴金は免除されるものとみられます。
電力の小売り市場は、全面自由化後に新電力の参入が相次いで競争が激しくなっていて、公正取引委員会は、各社の収益確保や電気料金の引き下げを防ぐねらいがあったとみています。
-- NHK NEWS WEB