ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、発電所などのインフラ施設への攻撃を繰り返し、各地では深刻な電力不足に陥っています。一連の攻撃についてロシアのプーチン大統領は「ウクライナ側の挑発行為に対して、やむをえない対応をとった」と正当化し、さらなる攻撃が懸念されています。
ウクライナでは、ロシア軍がことし10月以降、発電所などエネルギー関連のインフラ施設を標的にしたミサイル攻撃を繰り返していて、首都キーウをはじめ各地では深刻な電力不足に陥っています。
国営の電力会社は11月30日の段階で電力需要の27%が不足しているとしていて、キーウでは地区によって断続的に停電が発生し、市内の工業地帯にある自動車整備工場では、1日で少なくとも4時間程度の停電が発生しているということです。
こうした中、ロシアのプーチン大統領は2日、ドイツのショルツ首相と電話会談を行いました。
ドイツ首相府によりますと、会談は1時間に及び、ショルツ首相は、ロシア軍による民間のインフラ施設への攻撃を非難するとともに、ロシア軍の撤退を含む外交的な解決策を早急に見いだすよう求めたということです。
一方、ロシア大統領府によりますと、プーチン大統領は「ウクライナ側がクリミアに続く橋やロシアの民間インフラ施設に挑発的な攻撃をしているため、やむをえない対応をとった」と述べたとしていて、一連の攻撃を正当化したものとみられます。
ウクライナ政府は、ロシア軍がインフラ施設を標的にした新たなミサイル攻撃の準備をしているとみて警戒を強めていて、さらなる攻撃が懸念されています。
-- NHK NEWS WEB