経団連の十倉会長は5日の定例会見で、ことし大きく値下がりした円相場が一転して急速に円高方向に進んだことについて、投機的な動きが非常に激しくなっているとして、今後の為替の動向を注視する考えを示しました。
外国為替市場で円相場は、ことし10月下旬に1ドル=151円台まで値下がりしたあと、18円以上円高が進み、先週は1ドル=133円台まで値上がりする場面もありました。
これについて、経団連の十倉会長は5日の会見で「残念ながら投機的なマネーの動きで非常に激しい動きになっている。来年あたりは落ち着いてくると思うが、どれぐらいの為替の水準になるかこれからよく見ないといけない」と述べました。
また、防衛力の強化に向けた財源確保の議論について、「まずは財政支出の効率化や削減をしっかりやってもらう。そのうえで、どういうタイミングと負担で、どういう財源を充てるかをしっかり議論してもらいたい」と述べました。
さらに十倉会長は、来年の春闘に向けて、会員企業に対し物価の上昇を踏まえて賃上げを働きかけていく姿勢を改めて示し、「物価上昇を契機として賃金と物価のよい循環を起こしていきたいと思っている」と述べました。
-- NHK NEWS WEB