アメリカのIT大手、アップルは、クラウド上で管理しているデータを暗号化する新たなセキュリティー強化策を明らかにしました。こうした対策は各国での事件の捜査に支障をきたす可能性もあり、議論を呼ぶことになりそうです。
アップルは7日、新たなセキュリティー強化策を、会社のホームページで明らかにしました。
それによりますと、スマートフォンなどで保管されているデータのうち、クラウド上で管理している写真やメッセージの履歴などのデータを暗号化するということです。
個人データをめぐっては、去年だけで世界中で11億件流出したという調査結果もあり、アップルは、暗号化はこうしたデータの漏えいを防ぐためのものだとしています。
この機能はアメリカ国内では年内に、それ以外では来年から、順次導入される予定です。
ただ、暗号化は各国の捜査当局による事件の捜査に支障をきたすのではないかとの指摘も出ています。
アップルはこれまで、捜査当局の要請を受けた際、容疑者などのスマートフォンのロックの解除は拒否してきたものの、クラウド上のデータの提供には応じたケースもありました。
しかし、今後、データの暗号化によって、こうしたデータの提供が難しくなる可能性があります。
アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは、今後、各国政府などから法的措置も含めた反発も予想されると伝えていて、議論を呼ぶことになりそうです。
-- NHK NEWS WEB