裁判所から破産手続きの開始決定を受けた、東京の旅行会社「てるみくらぶ」の元社員の女性が、NHKの取材に、資金繰りが悪化していた社内の状況を語りました。
証言したのは、最近まで数年間、東京・渋谷の「てるみくらぶ」の本社で働いていた20代の女性です。
女性は「会社は常に目先の運転資金が足りていない様子で、『何月何日までに支払えばこの値段です』と、すごく安い価格に設定し、客にお金を振り込んでもらっていた。赤字でもいいから、とにかく売るという形でやっていたので、破産手続きに入ったと聞いたとき、やっぱりなという感じでした。会社もこうなることをわかっていたのではないかと思います」と話しました。
また、「社員教育は全く行われず、入社した次の日にいきなり電話対応をさせられました。ストレスを感じて退職する社員が毎月いました。お客様に夢を売る商売なので、このような結果になってとても残念です」と話していました。
さらに、問題発覚後、ツアーの利用客が旅行先の現地のホテルで宿泊代を請求されたケースがあったことについて、「航空券は事前に支払わないと発券されませんが、ホテル代金は、現地の旅行会社を通したり、会社と直接契約したりしていて、会社が事前に支払わないこともありました」と話していました。
-- NHK NEWS WEB