防衛費の増額で不足する財源の1つとして、自民党税制調査会で、東日本大震災からの復興予算に充てるための「復興特別所得税」の期間を延長する案が出ていて、今後の党内議論で焦点の1つとなりそうです。
防衛費の増額で2027年度以降に不足する1兆円余りの財源をめぐり、自民党の税制調査会は、宮沢会長ら幹部が、11日に続いて議論を行いました。
これまでの幹部の議論では、法人税を軸としたうえで、たばこ税や、東日本大震災からの復興予算に充てるため時限的に所得税に上乗せしている「復興特別所得税」の一部も組み合わせて、財源を確保する案が検討されています。
このうち「復興特別所得税」をめぐっては、復興予算への影響を抑えることや、岸田総理大臣が「個人の負担が増加するような措置は行わない」との方針を示していることを踏まえ、2037年までとなっている期間を延長する案が出ています。
ただ、「復興特別所得税」を活用することには、党内から「復興財源に手を付けるようなイメージを持たれるおそれがあり慎重に議論すべきだ」といった意見が出ていて、今後の議論で焦点の1つとなりそうです。
このほか、党内では、法人税の増税について、「企業に賃上げをお願いしている政府の方針と矛盾する」といった意見や、増税の具体的な税目は、年内には示さずに時間をかけて検討すべきという意見もあります。
自民党税制調査会は13日以降、党所属の国会議員が広く参加して議論を本格化させる方針で、週内を予定している税制改正大綱に向けて、意見の集約を図れるのか注目されます。
-- NHK NEWS WEB