先月経営破綻した暗号資産の交換業大手、FTXトレーディングの新しいCEOに就任したジョン・レイ氏が議会の公聴会で証言し、問題は数か月前、数年前から起きていたとして、破綻に至ったずさんな経営の深刻さを指摘しました。
アメリカ議会下院の金融サービス委員会は13日、FTXトレーディングが経営破綻に至ったいきさつなどを明らかにするため公聴会を開きました。
この中で新しいCEOのジョン・レイ氏が証言し「破綻の申請が企業価値を守るための最善の方法だった。それがCEOとしての最初の役目だった」などと述べました。
そのうえで、これまでに10億ドルを超える、日本円にして1300億円以上の資産をインターネットから切り離した安全な場所に移したなどと説明しました。
そして、「問題は一夜にして起きたのではなく、数か月前、数年前から起きていた」と述べ、会社の幹部らが長年にわたって顧客のデータや資産に自由にアクセスできたことが問題の原因だと指摘しました。
レイ氏は2001年に巨額の不正会計で経営破綻したアメリカのエネルギー会社「エンロン」の破綻処理を担った人物として知られています。
この公聴会では当初、前のCEOのサム・バンクマンフリード氏も証言する予定でしたが、公聴会の前日に大西洋の島国バハマで現地の当局に逮捕されたため実現しませんでした。
前CEOの逮捕によって破綻の原因がどこまで明らかになるのかに注目が集まっています。
-- NHK NEWS WEB