ことし9月に大阪の警察署の留置場で殺人事件の容疑者が自殺した問題で、大阪府警は担当の警察官が内規に違反し、容疑者の所持品を入れたロッカーを点検しなかったことなどによって、自殺を防げなかったとする報告書を公表しました。さらに、点検したとするうその書類を作成していたということで、警察官3人を書類送検しました。
大阪 高槻市の住宅で、養子縁組みをしていた女性を殺害したなどとして、殺人などの疑いで逮捕された生命保険会社の元社員、高井※リン容疑者(28)は、ことし9月、勾留されていた大阪 福島警察署の留置場で自殺を図り死亡しました。
大阪府警は、管理体制に問題があったとして調査し、14日に報告書を公表しました。
それによりますと、元社員は、留置場にある自分のロッカーに入れていたTシャツの切れ端を使って自殺しましたが、警察署の担当者は、内規で月に2回以上行うと定められたロッカーの点検を、直前の1か月間は一度も行っていなかったということです。
6日前の8月26日の点検日は実施したとする、うその書類を作成していたということで、警察は14日、虚偽有印公文書作成などの疑いで警察官3人を書類送検しました。
また、元社員の様子を確認する巡回は、直前の時間帯は1時間に5回行うことになっていましたが、一度も行っていなかったうえ、実施したとするうその書類を作成していました。
報告書は、こうした不適切な対応などによって自殺を防ぐことができなかったとしています。
そのうえで福島警察署の署長や留置管理課長など7人を減給や戒告の懲戒処分にしました。
大阪府警察本部の久田誠警務部長は「不適切な対応で府民の信頼を損ない、心よりおわび申し上げる。二度と同じような事案を起こさないよう再発防止に取り組む」と陳謝しました。
※リンは「凛」の右が「稟」
-- NHK NEWS WEB