大手旅行会社のエイチ・アイ・エスは、ことし10月までの1年間の決算を発表し、最終的な損益は、95億円の赤字となりました。赤字幅は、前の年の同じ時期よりも大幅に縮小しましたが、主力の海外旅行事業の回復が遅れていることなどが響き、3期連続の赤字となりました。
会社が15日に発表したことし10月までの1年間のグループ全体の決算によりますと、売り上げは1427億円で、最終的な損益は95億円の赤字となりました。
会計基準の変更があったため単純な比較はできませんが、会社によりますと、長崎県にあるテーマパーク「ハウステンボス」の株式の売却益として、400億円余りの特別利益を計上したことなどから、過去最大となる500億円余りの最終赤字を計上した前の年の同じ時期よりも赤字幅が縮小したということです。
しかし、主力の海外旅行事業の回復が遅れていることなどが響き、3期連続の赤字となりました。
来年10月までの1年間の業績予想については、現時点で合理的な算定が困難だとして「未定」としています。
エイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長は、15日の決算説明会で「徐々にではあるが、海外旅行の予約が増えてきていて、来年は、本格的に海外旅行の需要が戻ってくると感じている。全社一丸となって黒字を目指していく」と述べました。
-- NHK NEWS WEB