来年4月以降の年金支給額は3年ぶりに前の年度を上回るものの、将来の給付財源を確保するための「マクロ経済スライド」と呼ばれる措置により、支給額の伸び率は物価や賃金の上昇率よりも低く抑えられる見通しです。
年金の支給額は、物価と賃金の変動に応じて毎年改定されていて、厚生労働省は、来年4月以降の支給額の見通しを試算しました。
それによりますと、ことしの物価上昇率を2.5%、賃金上昇率を2.8%として計算すると、今年度の年金支給額より68歳以上は1.9%、67歳以下は2.2%増え、3年ぶりに年金がプラス改定になります。
ただ、将来の給付財源を確保するため、年金支給額の伸び率を物価や賃金の上昇率よりも低く抑える「マクロ経済スライド」と呼ばれる措置が適用されることから、支給額の伸び率は本来よりも0.6%分抑えられることになります。
具体的な年金額は、67歳以下の人の場合、国民年金が月額6万6000円余りで、今年度よりおよそ1400円増え、厚生年金は夫婦2人の標準的な世帯で月額およそ22万4000円と5000円近く増える見通しです。
厚生労働省は、物価の上昇率などが確定した来年1月に正式な年金額を確定させ、公表することにしています。
-- NHK NEWS WEB