「餃子の王将」を展開する会社の社長を銃撃して殺害したとして暴力団幹部が起訴された事件で、会社の第三者委員会の報告書で不適切な取り引きを主導したと指摘された創業家の元役員が、捜査当局の任意の事情聴取に対し「事件については何も知らない」などと話していることが捜査関係者への取材でわかりました。発生から19日で9年となる中、事件の背景は依然としてわかっておらず、警察は不適切な取り引きが関係していなかったか、慎重に捜査を続けています。
9年前・平成25年12月19日に「王将フードサービス」の京都市の本社前で、社長だった大東隆行さん(当時72)が拳銃で撃たれて死亡した事件では、福岡県の特定危険指定暴力団・工藤会系の暴力団幹部、田中幸雄被告(56)が銃撃の実行役として殺人などの罪で11月に起訴されましたが、事件の背景は依然としてわかっていません。
警察は、事件のあと会社の第三者委員会が報告書で指摘した、特定の企業グループとの間で不動産売買などの不適切な取り引きが繰り返され巨額の資金が流出した問題について、企業グループの元代表や取り引きを主導したとされる創業家出身の元役員の関係先を捜索するなどして、事件に関係していなかったか慎重に調べています。
こうした中、創業家出身の元役員が滞在先の海外から帰国した際、捜査当局が任意で事情を聞いたことが捜査関係者への取材でわかりました。
元役員は「事件については何も知らない」などと話したということです。
警察は全容解明に向けて引き続き捜査を続けることにしています。
-- NHK NEWS WEB