アメリカの原子力事業で巨額の損失を出すことになった東芝の子会社ウェスチングハウスは、現地時間で29日未明に、日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の適用を申請しました。これによって東芝は、経営再建に向けてアメリカの原子力事業から撤退することになります。
発表によりますと、東芝の子会社で、アメリカを拠点に原子炉の製造や原子力発電所の設備の建設を行っているウェスチングハウスは、経営に行き詰まり、日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の適用を申請しました。
ウェスチングハウスは、現地時間の28日、取締役会で連邦破産法11条の申請を協議していましたが、議論が長引き、現地の29日未明になって申請を行ったものです。
ウェスチングハウスが今回の対応を決めたのは、アメリカで2008年に受注した建設中の4基の原発の事業で安全基準を満たすためのコストが拡大するなど事業の採算が悪化していたためで、この影響で親会社の東芝は、今年度の決算で7125億円の損失を計上する見通しとなっていました。
このため東芝は、今月14日、ウェスチングハウスを連結決算から外すことで損失拡大のリスクを遮断し、アメリカの原子力事業からの撤退を目指す方針を明らかにしました。
連邦破産法11条の適用によって、ウェスチングハウスは裁判所に管理されて、東芝の連結決算からは切り離されます。
-- NHK NEWS WEB