中国企業が運営する動画共有アプリ、TikTokを介した中国政府への情報漏えいに対する警戒が強まる中、TikTokの運営会社の社員が、取材を担当している複数の記者の取材源を明らかにするため、記者の位置情報のデータを不正に入手しようとしていたことが明らかになりました。
アメリカの経済誌フォーブスは22日、TikTokの運営会社、中国のバイトダンスの社員が、TikTokの取材を担当している複数の記者の位置情報のデータを不正に入手しようとしていたと伝えました。
会社は、不正アクセスを認めたうえで、関与した社員を解雇したとしています。
TikTokをめぐっては、アメリカメディア各社が社内会議の録音や、社内向けのメールを元に、バイトダンスの社員がアメリカの利用者のデータに繰り返しアクセスしている実態などを伝えたうえで、情報がTikTokを介して中国政府に渡っている可能性があると報じてきました。
これを受けて、バイトダンスは、記者たちがどこから情報を入手しているのか、位置情報を元に取材源を明らかにしようとしたとみられるということです。
アメリカでは、議会上院が先週、政府関係の端末でのTikTokの利用を禁じる法案を可決したほか、一部の大学では、大学の端末やネットワーク上でTikTokを使用することを禁止すると発表するなど、中国政府への情報漏えいに対する警戒が強まっています。
-- NHK NEWS WEB