ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、国内の大手損保各社は、1月からロシアなどの海域で軍事行動などに伴う船舶の被害を補償する保険の提供を停止することを決めました。ロシア極東の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」からのLNG=液化天然ガスの輸入などに影響が及ぶ可能性もあります。
損保大手の「東京海上日動火災保険」と「損害保険ジャパン」、それに「三井住友海上火災保険」は、1月1日からロシアやウクライナ周辺のすべての海域で軍事行動などに伴う船舶の被害を補償する「船舶戦争保険」の提供を停止することを決め、海運会社などへの通知を始めました。
これについて損保各社は、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、各社の「船舶戦争保険」のリスクの一部を引き受ける再保険会社が引き受けを拒否したためだとしています。
軍事行動に伴う被害で補償を受けるためには、通常の損害保険が対象としない戦争のリスクをカバーする「船舶戦争保険」に加入する必要があり、この保険の提供が停止されれば、対象の海域での船舶の航行は難しくなるとみられます。
このため、ロシア極東の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン2」からのLNG=液化天然ガスの輸入などに影響が及ぶ可能性もあり、各社は今後、再保険の再開などの交渉を進めたいとしています。
-- NHK NEWS WEB