中国各地で新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、現地に進出する日系企業の間では従業員の多くが感染し、工場の稼働率が低下するなどの影響が広がっています。一方で、首都 北京では感染がピークを越えたとして、職場に復帰し始める動きも出ているということです。
中国では、今月7日に新型コロナウイルスの感染対策が緩和された後、感染が各地で急拡大しています。
北京にある日本大使館によりますと、中国各地に進出する日系企業の間では、従業員の多くが感染し、在宅勤務での対応を余儀なくされたり、工場の稼働率が低下したりする企業が相次ぐなど、影響が広がっているということです。
このうち、山東省青島では地元当局が、今月23日、新たな感染者が推計で1日当たり49万人から53万人増加しているという見方を示していて、日系企業の多くでも感染が拡大しているということです。
JETRO=日本貿易振興機構青島事務所の吉川明伸所長は「今月16日前後から一気に感染が広がって、従業員の3割や4割が陽性になったという日系企業もある。出勤できる人員で生産を維持できるよう努力はしているが、中には生産能力が半分近く落ちているところもある。ただ、対策緩和による一時的な混乱だと認識している企業が多く、各社はこの状況から早く抜け出そうとしている」と話しています。
一方、日本大使館によりますと、北京では、感染がピークを越えたとして職場復帰の動きが始まっている日系企業もあるということで、各地の感染拡大による影響が、今後、どれくらい続くかが焦点となります。
-- NHK NEWS WEB