大手精密機器メーカーのキヤノンは、記録的な物価上昇を受けて20年ぶりに基本給を一律で引き上げる事実上のベースアップを行う方針を決めました。
会社によりますと、対象となるのは国内外の従業員およそ2万5000人で、来月から基本給を一律で7000円引き上げます。
この会社では、役職や実績に応じて給与水準が決まる制度を導入しているため、2004年から基本給の一律での引き上げは行っておらず、ベースアップは20年ぶりとなります。
会社はベアを行う理由について、記録的な物価上昇を受けて、従業員の生活を支援するためだとしています。
急速な物価の上昇や人手不足を受けて、大手企業を中心に賃上げの動きは相次いでいて、飲料大手のサントリーホールディングスが5年ぶりのベアを検討しているほか、NECが総人件費を3%余り増やしたことしと同じ規模での賃上げを続ける方針を示しています。
記録的な物価高が家計の負担となっているだけに、来年の春闘でこうした賃上げの動きがどこまで広がるかが焦点です。
-- NHK NEWS WEB