日銀は、金融緩和策の修正を決めた12月20日までの金融政策決定会合の「主な意見」を公表し、政策委員から大規模な金融緩和を受けた債券市場の機能の低下を懸念する声が相次いだことがわかりました。
それによりますと、日銀が金融緩和の一環で国債を大量に買い入れる中、会合では、政策委員から「10年ものの国債の価格形成にゆがみが生じている」とか「債券市場の機能が低下した状態が続けば、企業の社債発行などの環境に悪影響を及ぼし、金融緩和の効果の波及を阻害するおそれがある」といった懸念の声が相次ぎました。
これを踏まえて日銀は、金融緩和策を修正し、長期金利の変動幅の上限を0.5%程度に引き上げることを全員一致で決めました。
一方、今回の政策修正について委員からは「今の金融緩和策の枠組みの持続性強化につながる」という意見や「金融緩和の出口に向けた変更ではなく、緩和姿勢は維持されるべきだ」といった指摘も出されました。
日銀はそれまで、変動幅の上限の引き上げは金融引き締めにあたるという見解を示していましたが、会合で内閣府の出席者からは「政策の趣旨について、対外的に丁寧に説明することが重要だ」という注文も出されました。
また会合では、大規模な金融緩和策について「いずれかのタイミングで検証を行い、効果と副作用のバランスを判断していくことが必要だ」と政策の検証を求める意見も出されました。
-- NHK NEWS WEB