ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナのゼレンスキー大統領は「来年は重要な1年になる」としたうえで、領土の解放や復興などの課題の解決に向けた見解を近く議会で明らかにする考えを示しました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は27日に公開した動画で「われわれは来年に向けて防衛部隊の準備を進めており、重要な1年になる」と強調しました。
そのうえで「来年を迎えるにあたって、国家目標についての共通認識を持たなければならない」と述べ、領土の解放や復興などの課題の解決に向けた見解を近く議会で明らかにする考えを示しました。
さらに、ゼレンスキー大統領は、世界最大規模のアメリカの資産運用会社「ブラックロック」のトップと復興に向けた投資をめぐって意見を交わしたことを明らかにするとともに、来月、スイスで世界の政財界のリーダーを集めて開かれる「ダボス会議」にウクライナ政府の代表が参加するという見通しを示しました。
一方、ロシアのプーチン大統領は、G7=主要7か国などがロシア産原油の国際的な取り引きの上限価格を設定するなどとした制裁措置を始めたことに対抗し、ロシア産の原油や石油製品を、制裁を科した国に輸出することを禁止する大統領令に署名しました。
この措置は来年の2月1日以降に実施し、7月1日まで続けるとしています。
ロシアに対しては、今月に入ってG7とオーストラリア、それにEU=ヨーロッパ連合が、ロシア産原油の国際的な取り引きの上限価格を1バレル=60ドルに設定するなどとした新たな制裁措置を始めていて、ロシアとしては対立する欧米などをけん制するねらがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB