海外旅行の格安ツアーを手がける東京の旅行会社「てるみくらぶ」が経営破綻した問題で、少なくとも3年前から赤字に陥った可能性があるにもかかわらず、黒字に見せかける決算書を作り、経営実態を偽って事業を続けていたことがわかりました。
海外旅行の格安ツアーを手がける「てるみくらぶ」は、今月27日に、資金繰りに行き詰まったとして裁判所から破産手続きの開始決定を受けました。
裁判所に提出した申し立て書によりますと、「てるみくらぶ」は、少なくとも3年前の平成26年9月期から営業損益が大幅な赤字に陥った可能性があるにもかかわらず、黒字に見せかける決算書を作り続けていたことがわかりました。中でも直近の去年9月期の決算では、営業損益はおよそ1億1000万円の黒字としていましたが、実際は15億円以上の赤字で、この時点で財務の状態が74億円程度の債務超過に陥っていたということです。
会社は、こうした深刻な経営実態を偽って、破綻直前まで1日当たり1000件から2000件の海外旅行の予約を受け付け、合わせて3万6000件、金額にして99億円に上るツアーを提供できない事態を引き起こしました。
観光庁は「てるみくらぶ」が黒字に見せかけてツアーの販売を続けたことは問題だとして、詳しく調べることにしています。
-- NHK NEWS WEB