ロシア軍は年の瀬に入ってもウクライナ各地でミサイルや無人機による攻撃を繰り返しています。こうした中、ロシア大統領府は、プーチン大統領は非友好的な措置をとる国の首脳に恒例の新年を祝うメッセージを送らないとしていて、ロシアと欧米などとの対立の深まりが改めて浮き彫りになっています。
ロシア軍は29日、ウクライナの首都キーウをはじめ各地のインフラ施設などに対してミサイルなどで大規模な攻撃を行い、キーウのクリチコ市長は、30日の夜明け前にも自爆型の無人機による攻撃があり、すべて迎撃したものの落下してきた破片で建物に被害が出たと明らかにしました。
ロシア国防省は30日「ウクライナ軍の指揮統制システムと防衛企業を支援する電力施設に大規模な攻撃を行った」と発表し、年の瀬に入っても攻撃を続ける姿勢を貫いています。
ロシア軍の今後の攻撃について、ウクライナ国防省の情報総局トップ、ブダノフ局長は26日に公開されたインタビューの中で、ロシアの現段階のミサイルの備蓄量は70発程度の大規模な攻撃を2回から3回行うほどの量だと分析しています。
一方、ロシア大統領府は30日、クリスマスや新年を祝うプーチン大統領の恒例のメッセージを送った各国の首脳やその内容を公開しました。
旧ソビエト諸国をはじめ中東や中南米、中国やインドなどに送った一方、欧米諸国ではプーチン大統領と独自の関係を築くハンガリーとセルビアにとどまっています。
去年はアメリカのバイデン大統領をはじめイギリスやフランス、ドイツなどの首脳や岸田総理大臣にも送ったと発表していました。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は30日「非友好的な措置をとる国にプーチン大統領が祝いのメッセージを送ることはない」と述べていて、ウクライナ侵攻を契機にロシアと欧米などとの対立の深まりが改めて浮き彫りになっています。
-- NHK NEWS WEB