物価の高騰が続く中、ことしの春闘では賃上げがどこまで実現するのかが焦点となっています。連合の芳野会長はNHKのインタビューに対し、賃金が持続的に上昇する経済へとステージを変えていく必要があるとして、大幅な賃上げを目指す考えを強調しました。
ことしの春闘で、連合は「ベースアップ」相当分と定期昇給分とをあわせて5%程度という平成7年以来の水準となる賃上げを求めています。
芳野会長はインタビューの中で、春闘を前にした働く人たちの暮らしについて「コロナ禍・物価高・円安という三重苦の状況だ。これまで連合に寄せられる声は職場の中での課題が多かったが、今は確実に生活の課題に変わってきている」と述べました。
そのうえで、芳野会長はことしの春闘について「国際的に見ても日本の賃金水準は見劣りする。20年来のデフレマインドを払拭(ふっしょく)して実質賃金が持続的に上がっていく経済にステージ自体を変えていくことが必要で、ことしはターニングポイントとして非常に重要な交渉になる。5%程度の賃上げをしっかり取っていく」と述べ、大幅な賃上げを目指す考えを強調しました。
さらに「中小企業の賃上げが日本全体にとって非常に大きく、価格転嫁や公正取り引きの問題など中小企業の賃上げに向けた環境整備に力を入れたい。非正規雇用やフリーランスについても働きの価値に見合った処遇にしていかなければならない。労働組合の外にいる人たちにも波及効果を及ぼせるように取り組みを強化していきたい」と述べ、大企業以外にも賃上げが広がるよう取り組む姿勢を示しました。
春闘は今月下旬に事実上スタートし、連合に加盟する労働組合は来月末までに経営側に要求書を提出し、その後、労使の交渉が本格化します。
-- NHK NEWS WEB