イギリスのスナク首相は国民向けに演説し、記録的な水準となっているインフレ率を半分に抑えることなど5つの約束を掲げました。賃上げを求める労働者のストライキが続き、政権支持率が低迷する中、約束を実現できるかが政権の行方を占う試金石となります。
ロンドン市内で4日、年始の演説を行ったスナク首相は「子どもや孫たちのためによりよい将来を築く礎とする」として、▽インフレ率の半減、▽経済成長の実現、▽国債の削減、▽公的医療制度を利用する際の待ち時間の短縮、▽海を渡ってくる密入国者を取り締まる法律の制定、の5つの約束を掲げました。
このうちインフレ率は3か月連続で10%を超える記録的な水準となっていて、エネルギー価格の高騰もあり、賃上げを求めるストライキが鉄道や空港職員のほか看護師や救急隊員など幅広い業種で相次いでいます。
大手調査会社「ユーガブ」が今月1日に発表した世論調査では、スナク政権の支持率は13%、不支持率は65%と、去年10月の政権発足以来、支持率は低迷しています。
スナク首相は5つの約束について「国民と政府にとっての優先事項で、達成できるか、できないかだ。まやかしもあいまいさもない」と強調し、約束を実現できるかが政権の行方を占う試金石となります。
-- NHK NEWS WEB